Nanotechnology / Materials
光触媒結晶性酸化チタン薄膜の超高速成膜
幅崎 浩樹
教授
Hiroki Habazaki
理学博士
高温熱処理不要な超高速電解成膜技術
結晶性酸化チタンは光触媒として実用的に重要な酸化物です。一般に高温での熱処理を必要とする結晶性二酸化チタン薄膜を,水溶液中の電解成膜法を用いてわずか数秒以内に各種金属基板上に製膜する技術を開発しました。
研究の内容
Al,Zn,Fe,Cuなどの実用金属基板上にTiF62-を含む水溶液からわずか数秒の電解により酸化チタン薄膜を得ることに成功しました。得られた酸化チタン薄膜はアナターゼ結晶性であり,熱処理することなく,光触媒活性を示します。表面の有機物をUV照射で分解し,超親水化するなどの優れた特性を確認しています。この酸化チタン膜には基板元素がドープされることから可視光応答性などの新たな機能発現も期待できます。透明導電膜などへの成膜も可能です。
社会実装への可能性
- ・光触媒
- ・セルフクリーニング表面
- ・抗菌性表面
- ・有機物分解
産業界や自治体等へのアピールポイント
超高速,常温付近の簡便な電解成膜プロセスであり,従来よりも低コストにての結晶性酸化チタンの成膜が可能です。
2021/2/19更新, 2020/7/1公開