北海道大学 研究シーズ集

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Life Sciences

食用動物の鮮度と食べ頃の可視化装置『MIRASAL(見らさる)』

安全・安心を実現する食用動物の鮮度と食べ頃の評価装置

我々は、産業技術総合研究所と共同で、致死後の食用動物(水産動物や畜産動物)の任意部位における分解成分の濃度の経時変化をシミュレーション法により求め、鮮度と食べ頃を評価するための可視化装置『MIRASAL』を開発した。

研究の内容

魚介類の産地および消費地における卸売市場では、鮮度が取引価格を決定する1つの重要な基準となっており、その評価指標としてK値が提唱されている。しかし、その値は死後の水産動物の任意の部位をサンプリングし、種々の前処理後に成分分析を行い算出するため、流通現場でのリアルタイム評価(把握)は出来ない。当研究室では、妥当なシミュレーション法による課題解決を考え、上記したような手法を用い、魚介類の種類や大きさ、死後の経過時間や保存温度などの各種情報から、鮮度と食べ頃を評価できる装置を開発し、現在その発明内容の権利化や携帯性の向上(スマートフォン等での利用)などを進めている。本装置『MIRASAL』は、牛肉・鶏肉・豚肉といった畜産動物にも適用可能である。

  • 図1 開発中の鮮度評価装置の入力画面と計算結果の例

  • 図2 開発中のMIRASALウェブサイト

社会実装への可能性

  • ・水産や畜産関連製品(携帯端末、漁船、運搬車など)への実装
  • ・流通業関連製品(携帯端末、トラック、輸送ボックスなど)への実装
  • ・小売業関連製品(携帯端末、低温ショーケースなど)への実装
  • ・消費者使用関連製品(携帯端末、冷蔵庫など)への実装

産業界や自治体等へのアピールポイント

『MIRASAL』により、販売経路に携わる需要者は鮮度情報を容易に入手可能となり、また、水産・畜産関係者も最終消費地における必要鮮度から流通経路、保存温度、保存時間などの推定が可能になる。これは、例えば漁船の燃料の削減などに直結し、さらに、本成果は食の安全性・信頼性の向上や食品ロスの削減にも結び付くと期待される。

関連情報

魚の鮮度をシミュレーション 北大研究者らがシステム開発
 北海道建設新聞(2021年9月16日3面)

 
 HBC北海道放送(2021年12月5日)
 
 Sitakke(したっけ)(2021年12月6日)
 
 北海道大学ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点ホームページ
 
鮮度保持用液状氷の質と量の同時最適化装置
 北海道大学研究シーズ集
 
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本研究に関連する知的財産

特願2021-030109 「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、鮮度・熟成度評価方法」
台湾/110107808 「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、鮮度・熟成度評価方法」
米国/17/909459 「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、鮮度・熟成度評価方法」
欧州/21764553.0「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、鮮度・熟成度評価方法」
中国/202180019153.9「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、鮮度・熟成度評価方法」
韓国/10-2022-7034527「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、鮮度・熟成度評価方法」
2023/7/19更新, 2020/7/15公開