北海道大学 研究シーズ集

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Life Sciences

鮮度保持用液状氷の質と量の同時最適化装置

食品の長期鮮度保持のための液状氷最適化装置

単純な熱容量計算で食品用液状氷〔スラリーアイス(塩分含有水氷)又は無塩分水氷〕の必要最小量や、保管用容器の総括伝熱係数(容器放熱量パラメータ)を用いスラリーアイス温度を決定する塩分濃度・水/氷混合比及び貯蔵可能時間を算出する装置を開発した。

研究の内容

これまで、水産動物の鮮度保持に有用なスラリーアイスの製造量は、貯蔵時間を考慮した計算法が無かったため、多くの場合、過剰な量が製造され使用されてきた。そこで当研究室では、先に記載したように、保管用容器の総括伝熱係数を用いて、その場で迅速に、スラリーアイスの質(塩分濃度や水/氷混合比)と量(貯蔵可能時間)を同時に最適化する装置を開発した。本法は、真水由来の塩分を含まない液状氷の製造にも適用可能なため、水産動物以外の食品(野菜・果物・畜産動物)にも利用でき、現在その発明内容の権利化などに取り組んでいる。

  • 図 スラリーアイスの温度の実測値と計算値の比較(左上図:キビナゴ、左下図:ハタハタ)とスラリーアイス中の氷量の実測値と計算値の比較(右上図:キビナゴ、右下図:ハタハタ(計算値のみ))

社会実装への可能性

  • ・漁業関連製品(漁港や魚船上のスラリーアイス製造装置など)への実装
  • ・流通業関連製品(魚箱や食品運搬用保管容器など)への実装
  • ・小売業関連製品(低温ショーケースなど)への実装
  • ・消費者使用製品(冷蔵庫など)への実装

産業界や自治体等へのアピールポイント

本装置により、その場で短時間に、食品の貯蔵時間を考慮に入れた最適な液状氷製造量を知ることが出来る。これは、製造費の低減および漁船においては燃費の削減に直結すると大いに期待される。

関連情報

本研究に関連する知的財産

特願2021-137125 「塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置、塩分含有水氷及び/又は 水氷の製造量算出方法、及び、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置を備えた塩分含有水氷及び/又は水氷製造装置」

PCT/JP2022/010889 「塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出方法、及び、塩分含有水氷及び/又は水氷の製造量算出装置を備えた塩分含有水氷及び/又は水氷製造装置」
2023/7/19更新, 2021/9/27公開

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