研究の内容
規則的な構造の繰り返しを有する一般的な多孔質構造体には、内部構造に起因した特定方向の強度低下や一度破壊が生じると容易に破壊が進展するという力学的課題がある。本シーズでは、生体内環境に最適化された多孔質材料である生体骨(海綿骨)に着目し、海綿骨の構造的な特徴と力学的な特性に基づいて確率的に構築したネットワーク構造を骨格とする新しい多孔質構造体「海綿骨模倣構造」を開発した。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能であることを確認した。圧縮破壊試験の結果、特定方向の強度低下が抑制でき、初期破壊後の破壊進展が抑制され吸収エネルギが高いことを確認した。本シーズにより、設計自由度が高く力学的に高機能な多孔質構造が設計・製造できる。
社会実装への可能性
- ・3Dプリント可能な製品・材料に幅広く適用可能、軽量化に貢献
- ・整形外科や歯科用の高機能インプラントの開発(股関節インプラントのステム等)
- ・軽量な構造用部材や衝撃吸収材に活用(航空機用部品の軽量化等)
産業界や自治体等へのアピールポイント
本技術の適用可能性に関するライセンス提供や共同研究の提案、多種材料の付加製造技術を有する企業との本技術の製造可能性に関する共同研究の提案、本技術のCADソフトウェアへの実装に関するライセンス提供や共同研究の提案等を幅広く期待