北海道大学 研究シーズ集

Manufacturing Technology

木材成分リグニンを電子デバイス材料へ

浦木 康光 教授 Yasumitsu Uraki
理学博士

リグニンの成形と機能性材料への変換

リグニンはセルロースに次ぐ賦存量がありますが、燃焼してエネルギーに使うしか、現在は有効利用がありません。このリグニンを繊維やフィルムに成形して、これらを電気二重層キャパシタ(EDLC)の電極やセパレータとして利用する研究を進めています。

研究の内容

EDLCは、Liイオン電池などの二次電池に代わる次世代蓄電池として注目されている電子デバイスであります。EDLCの中で、電極やセパレータと呼ばれる部材は、高分子物質から作られているので、この高分子を木質バイオマスの主要成分であるリグニンで代替するための研究を、我々は進めています。リグニンをエレクトロスピニングにより微細繊維に成形し、これを活性炭素繊維に変換することで、電極材料に要求される大きな表面積を達成しました。これにより、高いエネルギー密度とパワー密度を発現する電極の作製に至りました。また、リグニンを柔軟性に富むポリエステルフィルムに変換することで、従来のセパレータと同等の性能を発現する材料も調製できました。現在は、更なる高性能化に取り組んでいます。

  • リグニンのエレクトロスピニング繊維から調製した電極用活性炭素繊維

  • リグニンを原料とする電極の積層化(高容量、高出力)

  • セパレータとして利用するリグニンのポリエステルフィルム
    (折り紙ができるほど柔軟)

社会実装への可能性

  • ・EDLC
  • ・各種電池の炭素電極
  • ・吸着剤(活性炭素繊維として)
  • ・絶縁性フィルム

産業界や自治体等へのアピールポイント

近年、性質の異なる多種のリグニンが、工業的に製造されつつあります。我々は、特定のリグニンに特化した利用用途の開発、さらに、どのリグニンからでも調製可能な水溶性誘導体などの開発を通して、再生可能資源に基づいた循環型社会の構築に寄与する研究を発展させたいと考えています。

2018/4/3公開