理学研究院化学部門 分析科学研究室
Nanotechnology / Materials
1粒子解析技術に基づいたセンサー
龍崎 奏
准教授
Sou Ryuzaki
エクソソームのスペクトル計測によるがんの識別方法
・長さが5 μm以下の微粒子(例えばエクソソームなど)の1粒子解析方法、または、微粒子を利用したセンサーのためのスペクトルデータの生産方法を提供する
・微粒子を高感度にスペクトル計測できる基板および計測装置を提供する
研究の内容
本研究では、長さが5μm以下の生体微粒子などの測定が可能となる特徴を持ち、エクソソームの他、微粒子状の小さな細菌やウイルスなどが測定対象となります。また微粒子を利用したセンサーのためのスペクトルデータの生産方法を提供することが可能となります。
例えばエクソソームを測定することで、がんの検出や識別などに活用することが期待されます。
エクソソームとは細胞から分泌される体液(尿、唾液、血液など)に存在している微粒子で、近年は疾患のバイオマーカーとして注目されています。エクソソームの特徴として以下の特徴があります。
・表面分子組成が親細胞に依存している
・正常細胞はがん細胞から出てきたエクソソームを取り込むことでがん化する
・表面のタンパク質などの違いで、どこの細胞に入るか(がんの転移先)が決まる
社会実装への可能性
- エクソソームを疾患バイオマーカーとしての利用することで、予防医学、スクリーニングに活用し、がんの検出、識別、転移予測などが期待される。
産業界や自治体等へのアピールポイント
微粒子を高感度にスペクトル計測できる基板および計測装置を提供することで、今まで実現できなかった1粒子ごとのエクソソームの測定が可能となりました。今後、疾患バイオマーカーとして国内外においても将来的に非常に重要な技術になると考えられます。
関連情報
本研究に関連する知的財産
出願番号:PCT/JP2022/042861「微粒子試料のスペクトルデータの生産方法、微粒子のスペクトル計測用基板、および微粒子の解析方法」
2023/9/25公開