北海道大学 研究シーズ集

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Nanotechnology / Materials

超精密光学式角度センサ

0.001 arc-second超の高分解能を実現し,回折スケール格子ピッチ評価に援用

超精密位置決めステージなど,精密移動体の微小角度変位を検出する光学式角度センサを開発しています。レーザオートコリメーション法ベースの角度センサとして世界最高レベル(0.001 arc-second超)の分解能を達成しています。

研究の内容

半導体露光装置,超精密工作機械や精密計測機に用いられる超精密位置決め機構においては,ステージ移動中の微小回転運動誤差の影響が無視できません。
本研究では,これら精密移動体の微小角度変位を高い分解能で検出する,高精度光学式角度センサの開発に取り組んでいます。低ノイズ信号処理回路の開発および光学系の最適化設計により,レーザオートコリメーション法ベースの角度センサとして世界最高レベル(0.001 arc-second超)の分解能を,帯域1 kHzレベルで達成しています。また,この角度センサ技術をもとに,回折スケール格子全長に渡り,位置検出の「目盛り」の揺らぎをピコメートル級分解能で校正する手法を開発中です。位置決め技術の更なる高精度化を狙います。

  • 図1

  • 図2

  • 図3

  • 図4

社会実装への可能性

  • 現在,この光学式角度センサ技術の更なるブラッシュアップに取り組んでいます。また,角度情報を用いた回折スケール格子のピッチ揺らぎ評価技術については,レーザ光波長よりも短いピッチを有する回折スケール格子のピッチ揺らぎ評価に取り組むとともに,格子ピッチの絶対値を評価する手法への展開を模索中です。

産業界や自治体等へのアピールポイント

超精密情報機器(磁気ディスク装置)メーカー在籍9年間の現場での研究・製品開発の経験をもとに研究活動を展開中です。
【専門】精密(形状/表面/運動/振動)計測,トライボロジー

関連情報

機械・宇宙航空工学部門 精密計測学・ロボティクス研究室
https://lrd.eng.hokudai.ac.jp/research.html

研究キーワード

2023/12/1公開