工学研究院応用化学部門・先端材料化学研究室
Nanotechnology / Materials
発光性希土類錯体を用いた農林水産事業の支援
長谷川 靖哉
教授
Yasuchika Hasegawa
工学研究院 応用化学部門 機能材料化学分野
波長変換フィルムで農作物成長を促進
農作物成長促進に効果的な強発光性の希土類錯体(発光効率:世界トップ)を開発。その発光体を透明シートに塗った光波長変換フィルム(紫外光→可視光)の作製に成功。
研究の内容
紫外光を効率よく吸収し、赤色領域の強発光する希土類錯体を開発しました。この分子を塗り込んだ光波長変換フィルムは太陽光の赤色部分(600nm付近)を増強することができます。
この希土類錯体は可視光領域は光吸収がなく、農作物の光合成の鍵となるクロロフィル分子(赤色光を吸収)へ光を効果的に当てることができます。
● 太陽光の可視光領域をさえぎることがないため、農作物育成に応用した場合、日照時間を増やす効果があります。(特に冬期は効果的)
● 光変換の波長は赤色光の他に、「緑色光」「白色(波長混合)」「近赤外光」 に変換も可能です。 紫外線カットによる遮熱効果も期待できます。
● 発光色が温度によって変化するフィルムも作ることができます。LEDと組み合わせることもできます。
社会実装への可能性
- 1.発光性ビニルを用いた農作物育成
- 2.光の波長制御による農林水産業への支援
- 3.建築材料や表示材料などへの応用展開も可能
産業界や自治体等へのアピールポイント
この技術は農業用シートだけでなく、植物園やオフィスなどに使用される窓ガラスへも適応できます。
農業支援と省エネルギーを変え揃えた持続社会のための新技術です。
関連情報
2024/9/18公開