北海道大学 研究シーズ集

English
Manufacturing Technology

食品付加価値を高める超音波ドップラー検査技術

村井 祐一 教授 Murai Yuichi
工学研究院 機械・宇宙航空工学部門 熱流体システム

医療用の超音波エコーや超音波ドップラーによる画像診断機器を身近な対象物に使えるようにポータブル化しました。スーツケース1個で持ち運び、現場ですぐに使えます。農作物の非破壊診断、連続食品加工におけるライン上での品質管理を可能にします。

研究の内容

・農学部と工学部の共同開発で、トマト、キウイなどの果物や野菜の表皮硬度・内部熟度を3秒で可視化する方法を完成させました。
・カレー、ゼリー、ヨーグルト、チョコレートなど環境や温度で変化する様々な食品の粘度を、円筒に入れて回すだけですぐに計測できる技術を作りました。
・大きめの固体粒子が分散するゼリー状の粘弾性液体がせん断を受けるときの粘性応力と弾性応力を計測、複雑レオロジー混相流体にも適用可能に。
・市販のトルク式レオメータでは計測できない変形履歴応力をもつ物質(メモリー効果物質、チクソトロピ物質)の内部流動の特異性を抽出することに成功。

社会実装への可能性

  • 1.汎用型の超音波パルスドップラー法を確立したので次は個別対象物に特化させて即効性を提示します。
  • 2.異物検知などで色の安全、品質保証に使えるよう試験データを蓄積します。
  • 3.食品の安全高付加価値化・ブランディング政策に貢献する新しい道具として展開させます。

産業界や自治体等へのアピールポイント

1.果物の品質管理、硬度、糖度、熟度などの非接触計測、大量生産品の全数診断などに利用可能です。
2.食品加工過程や調理現場で、内部の組成や混合状態を分かりやすい画像で可視化できます。
3.ボールペンのようなセンサーで軽く触れるだけで食材の内部の品質を診断できるようになります。

関連情報

工学研究院 機械・宇宙航空工学部門・流れ制御研究室

研究キーワード

2024/9/18公開