北海道大学 研究シーズ集

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Nanotechnology / Materials

道産ダケカンバ製硬式野球バットの打撃性能評価

道総研林産試験場(旭川)の試作した道産ダケカンバ硬式バットの品質を広くアピールし消費市場を獲得するために、工学的な数値評価を確立して材質の異なるバットの性能を差別化し、従来材料と合わせてカンバ材バットを消費者の選択肢として提供する。

研究の内容

(解決すべき課題) かつて野球バットの木材は、道産アオダモがシェアの大半を占めていたが、現在は資源が枯渇し、北米産メイプルの輸入に依存した結果、国内バット製造業が衰退傾向に陥った。

(方法) 国産材バットの普及を目指し、ダケカンバ製バットの用具としての機能を工学的に数値化して外材のパーチ、メイプル、アッシュなどと差別化する。選手のバット素材の選択肢を拡げ、選択のための判断基準を提供し、市場を活性化する。

(意義) バットの消費で安定した流通量を確保し、アオダモ等、その他の樹種と合わせて計画的な植林と伐採サイクルを確立し、林業と地元製材・加工業の持続可能な活性化を図る。森林再生により二酸化炭素吸収と炭素固定を増進し、我が国のpostコロナ社会の優先課題であるグリーン成長戦略に役立ちたい。

社会実装への可能性

  • 1.R2萌芽研究で、伐採、製材、加工を業者に依頼して、市場価格を見積もり、事業採算性を評価した。
  • 2.NPBプロ選手にバットの試用を依頼し、広報活動を行う。
  • 3.NPBでは本年度より新規バット材料は認可制となったため、申請して公認を得る。

産業界や自治体等へのアピールポイント

・バット出荷量は日本国内に比較して北米が圧倒的に大きい。北米での市場獲得の可能性を探る。
・バット業界は大手スポーツ用品メーカーと中小加工業者がシェアを分けて共存する。将来的に、技術力を持つ小規模な企業の新規参入の見込みがある。

関連情報

工学研究院機械宇宙工学部門材料力学研究室
 
共同研究者:秋津 裕志(北海道総合研究機構林産試験場・性能部構造・環境グループ)

研究キーワード

2024/9/18公開