工学研究院 機械・宇宙航空工学部門・材料力学研究室 https://researchmap.jp/motohiro_sato
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植物の繊維構造・特異な形態が生み出す構造・材料力学的機能評価とプラントミメティック構造材の創製
佐藤 太裕
教授
Satou Motohiro
「植物の智恵」から学ぶ新しいデザインとものづくり
竹を始めとする維管束植物や、様々な植物の構造形態の力学的合理性をサイエンスの視点で実証するとともに、その構造形態を模倣することにより、既存の材料性能を凌駕する新しい構造材のデザインを目指しています。
研究の内容
◆構造・材料力学理論と有限要素解析により、理論的なアプローチで植物の形態を捉えます。
◆例えば、次ページの写真に示す竹は節と断面内維管束分布が特徴的ですが、これらには自身の体を最小材料で効率的に支える秘密があることが本研究室の研究で明らかとされています。このことは、繊維量を減らし機能を高めるCFRP材料の設計に応用できる「竹が教えてくれる智恵」であるといえます。※本研究により、文部科学省より「科学技術への顕著な貢献2019(ナイスステップな研究者)」に選定されています。
◆さらに、断面形状が非円形の植物など、特徴的な形状には力学的な利点が潜んでいます。
このような進化の過程で植物が生存戦略の一環として獲得してきた形状の合理性を暴き、付加価値を有するものづくりに生かすデザイン研究を行っています。
社会実装への可能性
- 1.植物の構造を模した新しい軽量・高機能構造材料開発:強化繊維量の制御による力学的合理性の高い構造材料を3Dプリンタにより作成
- 2.不要なバイオマスを構造材として利用する技術開発
- 3.農作物の倒伏や倒木に対する構造力学的安定性の検証技術
産業界や自治体等へのアピールポイント
構造力学・材料力学の基礎理論、有限要素解析を研究のベースとしています。また、上記研究に加え、自然、人工物の外的作用により生じる物理現象の構造力学・構造安定論的解釈を得意としています。構造・材料力学問題でお困りのことがありましたらご相談ください。研究室学生も交えた共同研究も可能です。
関連情報
2024/9/18公開