北海道大学 研究シーズ集

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Environment

無機-バイオ界面に着目した新規材料作製

シリカ合成酵素、バイオミネラル、無機-有機複合材料、自己修復材料

我々は生物が創り出す鉱物(バイオミネラル)に着目し、それを人工的に模倣した無機材料作製技術を開発しています。また、無機物とバイオ分子の界面に形成される親和力を利用した新たな金属分離技術および吸着・接着技術についても取り組んでいます。

研究の内容

1.シリカ合成酵素を用いた新規ハイブリッド材料作製
シリカは酵素によって合成されており、シリカ合成酵素はシリカテインと呼ばれています。シリカテインを用いることで、常温・中性pHという温和な条件下でシリカの重合を行うことが可能なため、バイオハイブリッド材料の作製ツールとして利用できると思われます。我々は、タンパク質融合技術により、シリカテインを可溶化した状態で長期間安定に存在させることに成功し、様々な複合材料の作製のツールとして用いています。
2.バイオ界面に着目した新たな金属分離技術と固体吸着技術の開発
生物は様々な力(相互作用)を用いて、固体表面に接着しています。我々はその力をうまく利用することで、紙(セルロース)を用いた金属イオン捕集技術や、特定の金属だけに吸着・接着する技術の開発を行っています。

社会実装への可能性

  • 1.無機-有機-バイオハイブリッド材料の作製
  • 2.セルロースやキチンを用いた重金属あるいは有用金属の回収技術
  • 3.バイオベースの新規接着剤

産業界や自治体等へのアピールポイント

温和な条件での無機材料作製が可能です。また、環境負荷の少ない金属捕集剤および接着技術を利用して、環境汚染の修復、グリーンなリサイクル技術、バイオメディカル材料への応用などを目指しています。

関連情報

工学研究院環境循環システム部門・資源生物工学研究室 https://bre.eng.hokudai.ac.jp/
2024/9/19公開