北海道大学 研究シーズ集

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Environment

環境ー植物ー土壌

信濃 卓郎 教授 Shinano Takuro
農学研究院 基盤研究部門 生物機能化学分野

植物を通して環境と土壌を考える

土壌からの養分(必須のみならず不要、有害元素も含めて)移動には植物and/or微生物の生物的な作用が重要です。また、環境変動は植物を通して土壌にも影響を与えています。この相互作用の解析を通して新たな栽培技術の創出を目指しています。

研究の内容

 スライド1はルーピンというマメ科飼料作物の根が土壌に対してどのように働きかけを行っているのかを解析した内容です。ルーピンはクラスター根という特殊な根を発達させて、有機酸などの化合物を土壌に放出し、これらが土壌に作用して様々な元素の可溶化に貢献していると考えられています。そのメカニズムを植物の代謝応答、土壌鉱物の変化、そして介在している微生物機能の解析を通して複合的に明らかにすることを目指しています。
 スライド2は福島県内で取り組んでいる植物による放射性セシウム吸収制御の試験風景です。作物種によって土壌からの放射性セシウムの吸収能には違いがあることが知られてはいるものの、そのメカニズムは明確にはなっていません。これを明らかにすることで、対策技術に結びつけることを目指しています。

社会実装への可能性

  • 1.土壌中の不要、有害元素の除去技術
  • 2.土壌の微生物に関してその機能性の評価と制御技術
  • 3.気候変動に対しての植物根圏の応答機構

産業界や自治体等へのアピールポイント

大学の教員を一度退職し、国の独立研究法人にて11年間勤務してきました。
特に北海道と東北の農業関係の様々な分野の研究者とのネットワークを持っています。

関連情報

農学研究院 基礎研究部門 生物機能化学分野・植物栄養学研究室  https://plantnutritionhu.wixsite.com/index
2024/9/20公開