北海道大学 研究シーズ集

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Life Sciences

レッドビートの生体影響を評価するヒト対象研究

若林 斉 准教授 Hitoshi Wakabayashi
博士(体育科学)

レッドビート摂取による寒冷下の末梢循環促進と巧緻作業能力改善を解明

道内でも生産されるレッドビート(図1)の濃縮ドリンクの機能性を評価するヒト介入試験を行い、寒冷環境下での指先の冷えが緩和され、巧緻作業能力が改善されるエビデンスが示されました。

研究の内容

成人男性を対象に、レッドビートドリンクまたは水を単回摂取させた後、手部を冷水に30分間浸漬させて冷却し、その後の回復過程における指先の皮膚温、皮膚血流、血圧を測定しました。同時に、指先の巧緻性や調整力を評価する作業課題を行いました(図2)。その結果、水条件に比べてレッドビート条件で、冷却後の指先の血流と皮膚温の回復が促進され、また、巧緻作業パフォーマンスの改善が示されました。今後の課題として、冷凍庫内や冬季屋外作業現場などを想定した寒冷環境滞在時の生体応答評価や、レッドビートの長期摂取による影響のヒト介入試験を行う必要があります。

社会実装への可能性

  • 1.寒冷環境での作業従事者の末梢部の冷えや血圧上昇対策と巧緻作業能力改善
  • 2.ウインタースポーツの際の末梢部の冷え解消と運動パフォーマンス向上
  • 3.「冷え性」や「高血圧」対策につながる「機能性食品」の開発・評価

産業界や自治体等へのアピールポイント

・暑熱寒冷環境に対する体温調節反応や各種作業能力に関するヒト対象研究ができます。
・植物由来成分(摂取、塗布、芳香)による体温調節や快適性への影響を評価しています。

関連情報

工学研究院環境工学部門・環境人間工学研究室 
https://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/EN-ERGO/

研究キーワード

2024/9/20公開