北海道大学 研究シーズ集

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Nanotechnology / Materials

ポータブルな液体クロマトグラフ(化学分析装置)

検査室から持ち出せる化学分析装置

液体クロマトグラフはサイズおよび重量が大きいため、実験室での使用に限定され、試料の採取場所での分析や小規模な実験室での分析は困難でした。そこで、構成要素を根本から小型化することに取り組み、超小型・超軽量装置の開発に成功しました。

研究の内容

・液体クロマトグラフ法(HPLC)
各成分は、カラム内で充填剤との相互作用の程度の違いで分離されます。分離するため、成分どうしの干渉なしに分析できます。溶出時間で成分が特定でき、検出信号の強さから濃度を決定できます。

・ハンディーポータブルタイプ
使用のつど収納でき、限られたスペースを有効活用
低溶媒使用量で低コスト 現場での取扱いも容易
シンプルな構造でセッティングとメンテナンスが容易
極微量の試料導入量により希少サンプルの分析に最適
入手容易な乾電池が使用可能
従来スペースに複数台設置して分析効率を向上

・コンパクトオールインワンタイプ
カラム(チップ)と検出器(ブロック)をモジュール化。各種検出法に対応し、交換可能。

社会実装への可能性

  • 1.製造ライン付近での品質管理,排水管理,作業環境調査
  • 2.家畜の健康管理
  • 3.土壌分析・水分析・天然物分析

産業界や自治体等へのアピールポイント

・ 試料を採取したその場またはその近辺で分析できます。※別途前処理が必要な場合があります。
・ 委託で行っていた分析を自社でできるようになります。
・ 小型・軽量を活かし,液体クロマトグラフのIoT化も可能です

関連情報

大学院工学研究院応用化学部門・生物計測化学研究室
https://microfluidic.chips.jp/jp/
特許 第5935696号「ポータブルな液体クロマトグラフ及び液体クロマトグラフィー」
2024/9/20公開