農学研究院 作物栄養学研究室 https://plantnutritionhu.wixsite.com/index
Life Sciences
作物の養分獲得戦略の分子機構とその応用
丸山 隼人
助教
Maruyama Hayato
植物・土壌・共生菌を軸にした養分獲得機構の解明と、その作物生産現場への応用
主要養分元素であるリンを中心に窒素やカリウム、さらには不要元素であるセシウムについて、土壌中での動態、植物に吸収されるメカニズムについて様々な作物を用いて研究しています。
研究の内容
研究1:菌根形成植物のリン獲得機構に関する研究
土壌中に存在する難利用性リンの利用を植物が植物自身または菌根菌からどのように獲得しているのか、遺伝子発現の網羅的解析技術や逆遺伝学的な手法を用いて分子レベルで研究しています。
研究2:植物が土壌中の元素動態に与える影響に関する研究
シロバナルーピンは土壌中のリンを根から分泌する有機酸やホスファターゼで利用可能な形へと変える能力が高いことで知られています。また、土壌中の重金属やセシウムも多く吸収することが知られており、根からの分泌物と土壌中における様々な元素の動態を根箱など(図2)を用いて調査しています。
研究3:養分ストレスと植物の機能性成分に関する研究:どのような栽培条件が機能性成分の蓄積に寄与するのかについて土耕や水耕栽培を実施して研究を進めています。
社会実装への可能性
- 1.土壌中養分を効果的に利用する作物や共生機能活用型作物の開発
- 2.栽培養分制御による高付加価値作物生産技術の開発
- 3.作物の安全・安心生産における最適施肥を可能にする土壌診断技術の開発
産業界や自治体等へのアピールポイント
・圃場や温室での作物の精密栽培試験ができます。
・作物の養分(ミネラル)分析および土壌の一般化学性分析、形態別元素分析ができます。
・遺伝子発現解析や、環境要因との関連解析(ネットワーク解析)等ができます。