北方生物圏フィールド科学センター・生物生産研究農場 https://www.fsc.hokudai.ac.jp/farm/blog/group/academic/
Life Sciences
乳牛の飼養方法と生産される乳の品質
三谷 朋弘
准教授
Mitani Tomohiro
日本全国、乳牛は様々な方法で飼養されていますが、牛乳の品質(成分的、衛生的、官能的)との関連は、明確ではありません。
実際の酪農現場で生産された乳を解析し、乳牛の飼養方法と生産される乳の品質との関連を明らかにしています。
研究の内容
「乳牛の飼養方法と生乳の成分的品質との関連」
乳牛の飼養方法は日本各地で異なり、特に北海道では気候条件などの違いにより明確に異なります。
北海道の各地域における飼養タイプの違い(畑作型、草地型、都市近郊型)と各酪農家で生産された生乳の成分、特に乳製品の品質と関連が強い脂肪酸組成やビタミン、カロテノイドとの関連を検討しています。
「乳牛の飼養方法と牛乳の官能的品質との関連」
乳牛の飼養方法の違いと生乳の成分的品質との間には関連性が強いことが分かってきました。
しかし、ヒトが実際に飲んで感じるおいしさ(味、香り、食感)との関連は明確でありません。
そこで、乳牛の飼養方法、生乳の成分的品質、牛乳の官能的品質、これら3者間の関連を検討しています。
社会実装への可能性
- 1.望ましい乳製品の特性(口どけ、風味など)に併せた原料乳を選抜できる
- 2.各地域で生産される乳製品に科学的根拠に基づいた付加価値を付与できる
産業界や自治体等へのアピールポイント
今後、重要になってくると思われる牛乳のおいしさ(香りや味)を科学的に評価します。
香りについてはGC-MSを用いた網羅的解析により、味については味認識装置を用いて、口どけについては乳脂肪の脂肪酸組成を用いて、評価します。