北海道大学 研究シーズ集

English
Life Sciences

海洋深層水を用いた北方系未利用紅藻「ダルス」の周年栽培技術開発

アルガミートの陸上栽培

北方系紅藻 『ダルス』 はタンパク質を豊富に含有し(約40%/乾燥重量)、その主成分 『フィコエリスリン(PE)』 は血圧低下・抗酸化・脳機能改善作用を示す。本研究では 「PE高含有ダルスの周年陸上栽培」 に挑んだ。

研究の内容

★ ダルスの優位性
“大豆(畑の肉)” と同等のタンパク質を含有し、その主成分PEは血圧低下・抗酸化・脳機能改善作用を示す。
★ 問題点
① 現在、供給源は冬季に採取されるもののみ (平均13トン/年)。
② 水温上昇や悪天候による生育不順、他種海藻の混入。
③ 新規海藻栽培に伴う漁業者の負担、混在する紅藻類からダルスを選別する製造業者の労働負荷。
★ ダルス栽培のロバスト化
PE含有量が多く安全な「高機能ダルス」を周年栽培するため、安定して低温で・栄養塩を豊富に含有し・清浄である海洋深層水を利用して、水温上昇や悪天候などの海洋環境に影響されない陸上施設において、その生育条件を最適化する 『ロバスト設計』 を実施。

社会実装への可能性

  • 1.昆虫や微細藻類と異なり、 「食の豊かさを備えた、持続可能なタンパク質供給源」 となり得る。
  • 2.500L水槽を100基設置することで年間12トン生産可能。
  • 3.ガゴメコンブ(200品目以上・累計100億円超の売上げ)と同等の市場効果が期待される。

産業界や自治体等へのアピールポイント

「海藻工場」 の実現による水産業の「知的産業・情報産業化」
→ 若者が希望の持てる・強く・美しく・活力ある水産業の復活に繋がる。

関連情報

海洋応用生命科学部門 資源機能化学科 水産資源開発工学講座
https://www2.fish.hokudai.ac.jp/faculty-member/kishimura-hideki/?key=jp

研究キーワード

2024/9/25公開