北海道大学 研究シーズ集

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Life Sciences

栄養素を循環させる農業を多面的に達成する

環境にやさしい農業、を、もっと身近に、もっとやりやすく

牛は食べた栄養素の八割近くを糞尿にしてしまう。それを土に撒き、草が伸び、牛が食べ栄養素はリサイクルされる。しかし土は保持できない栄養素を環境中へ排出する。これら目に見えにくい循環を理解し是正していく。

研究の内容

農業に由来する環境負荷、例えば水質悪化や温室効果ガス排出は近年大きな問題となっています。これらを是正するには、多面的な研究が必要です。例えば土壌中に保持される栄養素を理解するには微生物学的知識が必要ですし、作物生育のムラなどが起きていることを判別するには画像解析技術などが役立ちます。また、農業が環境負荷を引き起こす原因を根本的に理解するには、農業現場でどのような人がどう利益を得ているのかを理解する必要があります。環境生命地球化学研究室では、「微生物学」、「衛星画像解析」、「農家データ解析」を大きな三本の柱としながら、農場内で、地域で、栄養素を確実に循環させ、環境負荷を極限まで減らした農業体系の確立を目指しています。

社会実装への可能性

  • 1.環境負荷の少ない農業を学術的に、データに根差した形で評価できます
  • 2.土壌微生物の量や多様性、機能を評価し、持続的な農業の指標の一つとすることを目指しています
  • 3.微生物ゲノム、人工衛星画像などのビッグデータを「現場が使える」形に落とし込むことを得意としています

産業界や自治体等へのアピールポイント

お菓子会社、肥料会社などと連携し、農業の持続性を評価するだけではなく、是正することが利益につながるようなシステムをデザインしたいと考えています。農業現場に根差しつつ最先端研究を行えます。

関連情報

The Uchida Lab https://www.uchidalab.com/
2024/9/25公開