北海道大学 研究シーズ集

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Environment

シードル加工用の種子無しリンゴの育種基盤の構築

植物遺伝資源の多様な特性を理解し、植物育種への応用を考える

植物の三倍体は一般的に不稔になると考えられている。しかし、予備試験においてリンゴの三倍体が種子を形成していることがわかった。本課題ではリンゴの三倍体品種に形成される種子を利用し、その後代の獲得を試みる。

研究の内容

果樹生産は栽培・管理に多大な労力と時間を要する。これまでは果実の高品質化を目指してきたが、担い手不足が顕在化していることから、作業の効率化と収益性向上が望まれている。近年、シードル生産に注目が集まっている。リンゴの搾汁の際に種子の混入がシードルの品質低下を招くが、種子無しリンゴの育成は困難である。その要因がリンゴゲノムの頑強性にあると考え、異数体作出による完全種子無しリンゴの育種基盤を構築する。

社会実装への可能性

  • 1.実生から結実まで数年を要する。
  • 2.実生集団の核型分析に技術的な壁がある(染色体の基本数が多く、特定が困難)。
  • 3.実生は脆弱で途中で枯死するものが多く、実験のスケールアップが必要。

産業界や自治体等へのアピールポイント

花粉稔性の評価、花粉管伸長過程の解析、倍数性レベルの判定、胚珠培養等の組織培養技術のノウハウを蓄積しています。植物の形質改良の関する基礎的研究での連携を希望しています。

関連情報

北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場  http://www.fsc.hokudai.ac.jp/farm/
2024/9/30公開