Life Sciences
マレック病モデルを基盤とした鶏T細胞応答解析と家禽疾病予防戦略への展開
村田 史郎
准教授
Shiro Murata
博士(獣医学)
鶏の感染症制御に向け、マレック病をモデルとした高度な免疫学的解析により、ワクチンの作用機序や病原性の要因特定に取り組んでいます。この手法は他感染症や資材の効果判定にも応用可能で、科学的根拠に基づいた次世代の予防・飼養管理戦略を支援します。
研究の内容
鶏はファブリキウス嚢でのB細胞分化や末梢血中への高いγδT細胞の分布など、哺乳類とは異なる免疫システムを保持しています。本研究ではマレック病をモデルとし、強毒株やワクチン株に感染した鶏のCD4/CD8/γδ各T細胞分画の動態や活性を評価するなどの免疫学的解析手法により、現行ワクチンの作用機序や野外株の病原性の差を生じさせる免疫学的要因の解明を進めています。本アプローチは、従来知見を補完する高度なエビデンス構築を可能にするだけでなく、他感染症の応答解明やワクチン等の資材における効果判定にも広く応用可能です。鳥類免疫の専門的知見と解析技術を提供することで、多様な鶏の感染症予防戦略や飼養管理向上の基盤構築への貢献を目指しています。
社会実装への可能性
- マレック病等の慢性感染症は抗体価のみでは予防効果の判定が困難です。本研究の免疫学的解析手法は、抗体価に代わる有効性評価指標の策定を可能にします。これにより、細胞性免疫を標的としたワクチンや、自然免疫を活性化する飼料資材の効果測定を実現し、科学的根拠に基づいた養鶏産業の発展への貢献が期待されます。
産業界や自治体等へのアピールポイント
養鶏産業の持続的発展には、進化を続ける病原体への高度な防疫戦略が不可欠です。本研究では、マレック病野外株の性状評価やワクチンの予防効果について、免疫学的解析に基づいた科学的検証に取り組んでいます。この技術基盤を活用した研究を通じて、現場のニーズに応える疾病制御や飼養管理の最適化への貢献を目指しています。
