Life Sciences
総合的害虫管理(IPM)を支えるワクモ防除評価基盤:多角的な事前検証による開発支援
村田 史郎
准教授
Shiro Murata
博士(獣医学)
ワクモ対策の評価法として、独自の解析プラットフォームを構築しました。確立した「人工吸血系」や「組織別遺伝子発現解析」は、生体を用いずに効果判定を可能にします。ワクチンのほか、多様な新規防除資材の検証を支援し、養鶏産業の課題解決に貢献します。
研究の内容
養鶏産業に甚大な被害を及ぼすワクモに対し、薬剤耐性問題の解決策として、当研究室では「ワクチンによる新規防除法」の確立に取り組んできました。本研究の核となる優位性は、その開発過程で構築した独自の解析プラットフォームにあります。特に「人工吸血系」の確立により、生体を用いずにワクモへ直接、抗体や化合物を投与し、生存率や生理状態を定量評価することが可能となりました。さらに、ステージ別・組織別の詳細な遺伝子発現解析を組み合わせ、防除因子の作用機序を分子レベルで特定できる点も大きな特徴です。これらの技術は、ワクチンの効果判定のみならず、ワクモの吸血行動を利用したあらゆる新規防除資材のスクリーニングに直結します。科学的根拠に基づいた防除戦略の提供により、養鶏現場の喫緊の課題解決に貢献します。
社会実装への可能性
- 薬剤耐性ワクモの蔓延に対し、本研究の解析プラットフォームは新規防除法開発を強力に支援します。「人工吸血系」を用いたスクリーニングによる新規防除資材の有効性を、生体試験に頼らず検証可能です。多角的なエビデンス構築を通じて、養鶏現場の生産性向上と持続可能な防疫体制の実現への貢献を目指します。
産業界や自治体等へのアピールポイント
薬剤依存からの脱却を目指す「総合的有害生物管理(IPM)」の確立には、ワクチンの他、多様な防除資材の組み合わせが不可欠です。当研究室の技術基盤の活用は、新規資材の有効性の科学的評価をサポートすることが可能で、現場のニーズに即した実効性の高い防除戦略の策定への貢献が期待されます。
研究キーワード
本研究に関連する知的財産
【特許番号】特許第6765088号「ワクモの防除方法及び該方法で利用されるワクモタンパク質」【EP15800403.6】「Proteins for use in controlling red mites」
