インタビュー
情報科学研究科 NET JOURNAL 24
量子暗号鍵配付を用いることで将来いかに技術が進歩しても高度な秘匿性を保つ暗号鍵を光通信により共有できます。本研究は、量子暗号の実用化に向け、実際に作られた装置で安全性を実験的に保証するための技術を提供します。
量子暗号鍵配付は原理実証の段階をクリアし、実用化を意識した研究が進められています。究極の秘匿通信を実現する技術として、世界各地で実証実験を含む研究が進められています。当研究室では理論的な部分と実装に関わる部分を同時に研究しています。現実世界では理論通りにいかないことが多く、仮説と実験結果とのズレが生じることが多々ありますが、そのズレの影響を評価し、現実の装置で作られる暗号鍵の安全性を定量的に保証することを目指しています。そのため、理論的な研究と実際の装置開発を橋渡しする形で実証研究を行っています。この研究によって量子的な装置を測定、評価して現実化することが可能になり、将来の量子ネットワークの実現に寄与できるものと考えています。
当研究室では量子暗号やさらにその先の量子ネットワーク、量子コンピュータへ向けた基礎的な研究とともに、ここで紹介したような現実の装置開発に役立つ研究も行っています。光の量子的な性質を実際に利用するための技術開発にも力を入れています。