技術紹介
Life Sciences
リポソーマル生物発光イムノアッセイ
谷 博文
准教授
Hirofumi Tani
博士(工学)
ルシフェラーゼを内封したリポソームの作成と
イムノアッセイの超高感度標識体としての応用
生物発光反応の触媒である酵素ルシフェラーゼを脂質二分子膜小胞のリポソームに封入し、イムノアッセイの超高感度標識体として応用した。モデル物質として炎症マーカーであるC反応性タンパク質のイムノアッセイを行ったところ、その定量が可能あった。
研究の内容
臨床検査や環境分析において必須の技術であるイムノアッセイでは、分析対象物質の多様化や微量化に伴い、簡便、高感度、ハイスループットなど高性能化が求められている。我々は、生物発光酵素Lucを、リポソームと呼ばれる脂質二分子膜小胞に多数内封させ、これをイムノアッセイの標識体として利用する超高感度なイムノアッセイ系の構築を目指している。リポソームに内封することで多数のLucを安定な状態で抗体に標識することが可能になる。しかし、リポソーム内部に酵素を内封する方法は既に知られているものの、Lucについてはこれまで検討された例がない。本研究では、熱安定化組換えLucをリポソーム内へ封入し、封入量や安定性を評価した。さらにLuc内封リポソームを標識体として用いるC反応性タンパク質のイムノアッセイ系を構築した。
社会実装への可能性
- ・超微量マーカーの臨床検査
- ・環境汚染物質の分析
- ・マイクロデバイスを用いるイムノアッセイ
産業界や自治体等へのアピールポイント
分子集合体場における生物発光分析法の高感度化・高機能化を目指しています。本研究において、超高感度化を達成するには、いくつかの克服すべき課題が残されています。本法の利用に興味のある企業のみならず、技術的に支援いただける企業と共同で研究を進めていきたいと考えています。
関連情報
2018/4/3公開