北海道大学 研究シーズ集

English
Life Sciences

分子標的治療薬の感受性試験

蛍光バイオイメージングを用いて個々の細胞における薬剤反応性を可視化する技術

蛍光バイオイメージングはシングルセルレベルでの細胞の振る舞いを可視化する技術です。本法ではイメージング技術を応用し、薬剤に対する反応性と耐性の有無を可視化、将来の患者の薬剤応答性を予測することを実現しました。

研究の内容

本診断技術では、蛍光タンパク質とフェルスター共鳴エネルギー移動(Förster resonance energy transfer, FRET)の原理を用いた蛍光バイオセンサーを用います。このバイオセンサーによりシングルセルレベルでの薬剤反応性を可視化することで、極少数の薬剤耐性細胞が検出可能となりました。結果として、従来技術では成しえなかった投与後の臨床経過との高い一致率と将来の薬剤応答性の予測を達成しました。本技術は世界初の蛍光タンパク質の臨床応用例であるとともに、効果が約束された治療法選択による安全性担保、患者の経済的負担軽減、医療費抑制による医療経済的効果などにつながると期待されます。現在のところ慢性骨髄性白血病という血液のがんをモデルにプロジェクトを進めていますが、原理的には多くのがんに応用可能です。

  • BCR-ABL活性を測定する蛍光バイオセンサーPickles

  • Picklesによるシングルセルレベルでの薬効評価

  • 本技術による薬効評価判定例。青は本検査で感受性と判定された症例、赤は抵抗性と判定された症例の経過。太線はそれぞれの平均を示す。

社会実装への可能性

  • ・薬剤反応性の予測
  • ・薬剤耐性細胞の検出
  • ・がん細胞の早期検出

産業界や自治体等へのアピールポイント

細胞生理学教室では、蛍光バイオイメージングを用いたシグナル伝達研究を軸に研究活動を行っています。そこで生まれた知見や用いたバイオセンサーの応用にも取り組んでおります。キーワードは「Seeing is believing」。

本研究に関連する知的財産

特願2015-511267  「フェルスター共鳴エネルギー移動用ポリペプチド」
特許第5665262号 「BCR-ABLチロシンキナーゼ活性測定試薬」
2018/4/3公開