北海道大学 研究シーズ集

相変化せずに蓄熱する固体蓄熱材

結晶構造の変化により蓄熱する固体蓄熱材

トランス-1,4-ポリブタジエンは、固体の結晶構造の変化により蓄熱する特徴があり、この蓄熱材を用いた蓄熱器には、蓄熱材を入れる容器が不要になります。トランス-1,4-ポリブタジエンを用いた蓄熱器の宇宙実証に世界で初めて成功しました。

研究の内容

超小型衛星の熱設計をしやすくすることを最終目標に、超小型衛星の熱制御に適した熱制御材として、結晶構造の変化により蓄熱する蓄熱材の開発を行っています。
多くの蓄熱材が固相-液相の相変化によって蓄熱しています。微小重力下での液相は、伝熱面との濡れ性が悪いと伝熱面に接触せず、熱伝達が著しく悪くなるという欠点があります。そこで、本研究では、固相-固相の結晶構造の変化により蓄熱するトランス-1,4-ポリブタジエンに注目しています。
開発された蓄熱器は、2014年6月20日に打ち上げられた超小型衛星HODOYOSHI4号機に搭載され、宇宙での性能実証試験が行われてきました。HODOYOSHI4号機のデータを解析したところ、蓄熱器が宇宙空間でも所定の温度で蓄熱・放熱していることが確認されました。

  • 蓄熱量の測定(DSC 曲線)

  • 表1 蓄熱温度と蓄熱量

社会実装への可能性

  • ・超小型衛星用の蓄熱材
  • ・住宅用蓄熱材
  • ・自動車用蓄熱材

産業界や自治体等へのアピールポイント

・固体から固体の結晶構造の変化で蓄熱しますので、容器が必要ありません。
・熱を発生する箇所に直接接触させることができます。液漏れすることもありません。
・CFRPに用いられる硬化樹脂に混ぜることもできます。

2018/4/3公開