Nanotechnology / Materials
銀系化合物を用いる水素の活性化と接触合成反応
坪内 直人
准教授
Naoto Tsubouchi
博士(工学)
◎共同研究者
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篠原 祐治 博士研究員 Yuji Shinohara博士(工学)
高活性水素イオンの生成触媒の開発とCO2メタネーション反応への利用
Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)は、当研究室が発見した銀系化合物から生成する高活性水素イオンで、一部を低温燃焼させることで熱を供給し、余剰GDRは例えばCH4合成に利用することで、反応が効率化できる。
研究の内容
水素の自然発火温度は525℃前後と高く、低温で燃焼させるためには、高活性水素を製造可能な触媒の利用が不可欠である。これまでパラジウムや白金系触媒が用いられているが、供給面や価格面などの不安を抱えている。
当研究室では、従来の触媒に比べ供給面や価格面で有利な触媒の研究に取り組み、その結果、高活性な水素イオンを生成可能な銀系化合物を発見した。本触媒は、水素を供給すると高い活性を持つ水素イオン“Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)”を与えるため、まず低温で水素と酸素を同時供給することにより生成GDRを燃焼させ、次いで発生熱と余剰GDRを利用すれば各種合成反応を効率的に行うことが出来る。
現在、CO2メタネーション用の触媒との複合化により、低温で反応が進行することを見出している。
社会実装への可能性
- ・CO2メタネーション反応用触媒
- ・CO2水素化メタノール合成用触媒
- ・NH3合成用触媒
産業界や自治体等へのアピールポイント
これまで、発電所・製鉄所・工場および地熱を利用する設備等で利用が困難であった低温排熱(120~200℃)を利用し、GDRを生成・反応させることが出来る。GDRは、低温排熱温度で容易に酸素と反応して燃焼すること、また、CO2メタネーション反応に利用できることを確認している。